古谷真樹,田中秀樹,上里一郎 (2008).個人内における不安の程度と睡眠構造・睡眠感.臨床神経生理学,36,247-252.

就床前の不安の程度と睡眠内容との関連について、日中の活動量を交えて検討した。個人内で就床前の不安が高い日と低い日の睡眠変数を比較した結果、不安が高い日は、徐波睡眠出現率とREM睡眠出現率の有意な現象がみられた。入眠潜時の延長と段階1出現率と睡眠効率の低下傾向もみられた。また、不安が高い日の主観的評価についても、寝つきの悪さや睡眠維持の低下、起床時の気分の悪さが確認された。一方、日中の活動量には、両日に差が見られなかった。以上、就床前の不安は、寝つきを遅らせ、徐波睡眠を減少させることが明らかとなった。